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前回のあらすじ。ダンスホール・レゲエのみならず、世界中のダンス・ミュージックに多大な影響を与えたモンスター・トラック「スレンテン」。その正体は1981年日本製のファミリー・キーボード、Casiotone MT-40にプリセットされた「ROCK」リズムそのものであった。ということは、スレンテンの生みの親はカシオの誰かさんじゃないのか?。その疑問を解明するためカシオ計算機に問い合わせしたところ、「弊社社員による制作」ということは確認できたものの、お名前も分らず、少し消化不良のまま記事は終わっていました。2013年1月のことでした。

casiotone_mt-40_rock_slengteng

そんなことも忘れかけていたつい先日、なななななな何と、スレンテンのオリジネーターさんから直接メッセージが届きました。なぜ、このタイミングで?と思いましたが、なんでもUKの情報サイト「Engadget」からCasiotoneMT-40、スレンテンに関する取材を受けたそう。そういえば、以前に同じ問い合わせを送ってきた人が居たよね、ということになり、わざわざご連絡を下さった、ということでした。

スレンテンのオリジネーター、お名前を「オクダヒロコ」さんと言います。カシオ計算機の楽器事業部に所属されています。キング・ジャミ子でもウェイン・スミ子でもありません。奥田さんからメッセージ、その驚きの内容がこちら。

 

 開発後30年以上経っているにもかかわらず、MT-40を大事にお使いくださり、ありがとうございます。

多くの皆様は、カシオトーンに入っていたパターンを、キングジャミーが
たまたま発見して、スレンテンという名前をつけて使っただけと思って
いると思います。実際その通りですが、少し面白いなと思うのは、
私の卒論は「レゲエ」に関するもので、大学時代はずっとレゲエを聴いて
いたということです。ですので、MT-40が発売されて数年たってから
ジャマイカで話題になっているということを知っても、あまり驚きは
なく、ずっと聴いていたから、ジャマイカで受けたのかと
ある意味納得したりしました。
何にも関係ないところからブームは起こらないと思っています。
やっぱり、ずっと聴いていたとか、ずっと好きだったとか、
そういうことが大事なんですね。
また、スレンテンに関する色々な記事を読みますと、参考にしたパターンに
ついて、エディ・コクランだの、セックス・ピストルズだの皆さん色々おっしゃって
いますが、実は全然違います。インスピレーションを受けた曲はありますが、
上記のアーチストの曲ではありません。
スレンテンは偶然出来上がったものではなく、送り手と受け手にレゲエ
というの同一体験があったからこそできたものであると思っています。

 

Casiotone MT-40のプリセットがジャマイカでバカ受けしたのは、必然だったのかも知れない。。。
奥田さんが音大在学中にレゲエを愛好し、しかも卒論のテーマにレゲエを選ばれたという事実は、本当に驚きです。ジャマイカでの評判を聞いても驚かなかった、というのは実にスゴい話だと思いませんか?

Me and Tapes in front of Casiotone MT-40 & Casio CZ-101

写真は先日行われた「TAPES JAPAN TOUR IN OSAKA」追加公演のリハーサルでのひとコマ。TapesがCasiotone MT-40と、同じくカシオ製のCZ-101を生演奏、私Ruv Bytesがダブミックスする、という夢のような時間を過ごさせてもらいました。本当に楽しかった。Tapesの来日記念盤としてリリースした7inchに収録されている「No Broken Hearts On This Factory Floor」で聴けるドラムマシンのサウンドも実はカシオ製の名器、RZ-1。カシオ計算機さんにはお世話になりっぱなし、なのです。

これからもCasioには、このような素晴らしい製品を生み出し続けてもらいたいと期待しております!
カシオ計算機の奥田さん、会見さん、ありがとうございました。

先述した「Engadget」の記事がこちら。正にスレンテンに関する記事の決定版と言っていい力作です。
http://www.engadget.com/2015/12/04/casio-and-the-sleng-teng-riddim/

それに比べてしょぼいですが、私の前回の記事。2013年1月記。
http://csmusic.jp/blog/life/casiotone-mt-40-sleng-teng

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