カセットテープを製作に活用するロンドン在住のトラック・メーカー「Tapes」(テープス)の作品をまとめてCorner Stone Musicのサイトに追加したのでご紹介。
まずはTapes初のフル・アルバムとなる「No Broken Hearts On This Factory Floor」が遂に予約開始。Corner Stone MusicとEM Recordsの共同プロデュース。これまでの代表作は全て新たにマスタリング。それに加えて、このアルバムの為に製作された新曲と未発表曲を6曲収録。 アナログ盤は45rpm 12inch×2枚組のDJ/セレクター仕様。これまで彼の作品をチェックしてきた人にも、まだ知らないという人にもオススメできるTapesの決定盤。
昨年、プライベートな旅行で来日していたTapesからの「大阪の宿を紹介してほしい」というメールが全ての始まりだが、その時はまさかアルバムを出すことになろうとは想像だにしなかった。大阪滞在中に彼から聞き出した音楽製作に関するアレコレは付属のライナーに書かせてもらったので、興味のある方は是非ご一読頂きたい。このアルバム・リリースを歓迎し、素晴らしいライナーまで書いてくれたJahtariのDisruptにこの場を借りて感謝。
http://csmusic.jp/tapes_1st_full_album.html
次にオネスト・ジョンからの12inchはTapes + ナイヤビンギという今までになかった組み合わせ。来日時、しきりにDrum Rootsのレコードを探し求めていたTapes。この曲の製作が影響していたのだな、と納得。
http://cornerstone.shop-pro.jp/?pid=89374521
最後に彼のセルフ・プロダクションであるSelah Wadadaからの7inchが極少量再プレス。Jahtariなど、他のプロダクションから作品をリリースしていた彼が、全てを自分の思い通りにしたいという思いを実現した作品。リリース当時、あっという間にショップから姿を消した幻のリリース。
http://csmusic.jp/tapes_selah%20wadada_7inch_repress.html
Tapesの両親はミュージシャンだそうだ。幼い頃から音楽、楽器に囲まれた環境に育った為、彼は楽器演奏に関しても優れたスキルを持っている。実際、今回紹介した作品でも、彼は打ち込みに頼らず多くのパートを手で演奏している。それも彼の作品の大きな魅力である。
そしてもう一つ。24歳という年齢からして、彼はカセットテープが懐かしい、という世代ではない。懐古趣味でなく、純粋にカセットテープの持つサウンドに魅力を感じて作品作りに活用しているのだと思う。
手弾きのグルーブとカセットテープによるノイズ、再生の揺らぎによって、彼の曲は何度聴いても飽きがこない。是非、今回紹介した作品を聴いてみて欲しいと思う。